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社長の明太よもやま通信 VOL.5

社長のよもやま通信

 

【水産資源について】

さて今回のお話は、水産資源の件についてです。

実は、来月10月に、アラスカマーケティング協会さんという、アメリカの団体さんと、今年当社の行った「あらすか明太子」の取り組みについて、たらこ関係の会社さんを前に、プレゼンテーションを行う予定です。

あらすか明太子

テーマは、「アラスカの持続的水産資源と日本の技術」なんですが、この「持続的水産資源」というのが、私が最も大切だと感じているものの一つです。

私どもは、「北海道産近海子」にこだわって、「最高に美味しい明太子づくり」を目指してきました。もちろん、当社では、私自身も北海道の浜をひとつひとつまわって、その現場からモノ作りをつくってきたので、わかります。

日本の水産資源は「危機的状態」です。

まず、魚が獲れない・・・今年「サンマ」が豊漁という話ですが、一時的なもののように感じます。その他の魚は、年々漁獲量を減らしています。

魚が獲れないというのはどういうことか?と申しますと「美味しい魚が食べられない」と又は、「高くなる」という側面もありますが、一方で北海道や、日本の漁師町などの産地では、「漁業がなりたたない」という本当に厳しい現実があります。

それが「経済原則」と言ってしまえばそれまでですが、そこには、浜の人たちの「生活」があることを忘れてはいけないと思うんです。

北海道2

歩いてみると実感できますが、例えば北海道のちいさな漁師町にいくと、漁業を中心に街の経済が成り立っています。そこでは、漁業の衰退イコール町の衰退であり、それは職が減る。そうなれば・・・若者や家族持ちは、街をでる決断を迫られることも多々あります。

それも、年老いた両親をおいて、札幌などの大都市にでていくことになります。

私たちは、食品会社として、北海道の水産資源もまもっていく使命があると思います。

そのためには、北海道の浜のひとたちの生活も守らなくてはいけない。そのためには、「資源保護」というのが、今、一番大切ではないかと思います。

国産の島本がなぜ、「アラスカ」というお声もあろうことかと思いますが、今、国産の卵を残して、しっかり「資源保護」しながら魚の数を増やすためにも、日本の水産資源は、資源保護の先進国であるアメリカやノルウェーを見習って、大きく舵をきらなくてはならないのではないか・・北海道の漁師さんたちの生活も含めて、九州からではありますが、考えています。

漁船