≪賞味期限ってどうやって決めるの?≫
賞味期限というのは私たち消費者にとって身近なもの、当たり前のものになっていますが、どうやって決められているか知っていますか?
食品の賞味期限を決めるためには、
・理化学試験:品質の劣化を理化学的な数値で分析。粘度や酸度、pHなどがその代表的なものです。
・微生物試験:品質の劣化を微生物学的な数値で評価。一般生菌数、大腸菌群数などです。
・官能試験:品質の劣化を人間の視覚、味覚、嗅覚で評価。
という大きく分けて3つの検査を実施する必要があります。
各試験の中でも細かい項目に関して検査を行い、最終的にはおいしく品質を保証できる期間に、安全を見て検査結果よりも更に短い日にちで賞味期限の表示を行います。
≪冷凍保存と賞味期限≫
島本のオリジナル辛子明太子の賞味期限は「冷蔵15日、冷凍2ヶ月」です。
お客様から、「冷凍したら2ヶ月ももつの!?」と驚かれることがあるのですが、業務用の温度管理のきちんとした冷凍庫であれば実はもっと日持ちするんです!
これは、明太子に油分がほとんどないことが要因です。
油分を含んでいる食品は冷凍していても油分が酸化していき、味に影響してしまいます。
前述した理化学試験と官能試験でひっかかる項目となります。反対に、油分のほとんどない食品である明太子は冷凍していても酸化する油分がないので理化学試験、官能試験ともにクリアするという訳です。
もちろん、冷凍しているので微生物も増殖できず、微生物試験もクリアします。
ただ、ご家庭の冷凍庫は業務用に比べて温度が高いことと、扉の開閉による温度変化が多いため、微生物が増殖できる環境になる可能性があります。その他様々な検査結果より「冷凍2ヶ月」の賞味期限としています。
≪冷蔵保存と賞味期限≫
冷蔵で保存する場合の賞味期限の15日というのは、主に微生物試験の結果が影響しています。先程「冷凍では微生物が増殖できない」と言いましたが、冷蔵状態では増殖できる菌もいます。そのため辛子明太子の冷蔵賞味期限は15日までと定めています。何日までだったら美味しくかつ安全に食べることができるのか、厳密な検査を行い、決めています。
但し、開封し人の手の入ったものは皮膚の常在菌や包丁、まな板に付着していた菌、空気中を浮遊していた菌が食品にも必ず付着します。一度開封したものや触ったもの、包丁を入れたものなどは賞味期限に関わらず、お早めにお召し上がりください。
このように、ひとつの食品の賞味期限を決めるのに様々な人が関わり、様々な検査をしているのです。
身近な食品ひとつひとつにそういった検査が行われていると思うと、安心して食べられる気がしますよね。
今日もたくさんのことに感謝しながらお腹いっぱい食べたいと思います!!