≪私を示すしるし“紋章”が発達したのはヨーロッパと日本だけ≫
皆さんは、自分の家の家紋がどのようなデザインかご存知でしょうか?代表的なモチーフから珍しいものまで、1つ1つの家紋に奥行きがあり、知れば知るほど楽しくなります。家紋は“紋章”の1つですが、世界で紋章が発達したのはヨーロッパと日本だけだと言われています。
ヨーロッパでは12世紀、騎士の時代が始まると、戦場で個人を区別するしるしとして紋章が発達しました。ヨーロッパの紋章が個人を示すのに対し、日本の紋章である家紋は家を示します。古くは武家や天皇家のみに認められたものでしたが、江戸時代に庶民が用いるようになり、工夫を凝らした多様な家紋が作り出されたのです。
≪歴史、信仰、名字…家ならではのコンセプトを含む家紋≫
家紋は袴や杯など公の場で利用する道具にも用いられ、その家のアイデンティを表す存在として利用されてきました。そのためシンプルなデザインながらも、その家ならではのコンセプトを含んでいるのが特徴です。名字にちなんだものや、歴史的なことがら、信仰にちなんだものなどデザインの由来は様々です。
≪植物の白桐をモチーフにした「桐花紋」≫
桐花紋の1つ「五七の桐」は日本政府で用いている家紋でもあるため、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?桐は、古代中国で鳳凰が宿るという伝承があり、日本で桐花門が使われるのはこの伝承に倣ったものです。
≪藤の花、葉をモチーフにした「藤紋」≫
藤は長寿で、繁殖力の強いめでたい植物。この藤をデザイン化したものが「藤紋」です。源流には藤原家があり、現在では名前に「藤」のある苗字(佐藤、加藤、斉藤、伊藤など)で使われています。
≪カタバミをモチーフにした「片喰紋」≫
春から秋にかけて黄色の小さな花が咲く片喰は、全世界に分布し、少々の環境の悪さをものともせずたくましく繁茂していく植物です。子孫繁栄を願って作られた家紋だと言われています。
≪花のような、島本のロゴ。献身の心を表しています≫
島本の家紋とも言える、赤いロゴマーク。実は明太子3本を花のように形作ったものです。島本は明太子づくりから始まった会社。今では広く博多の食をお届けしていますが、明太子づくりで大事にしてきた「ひと粒に身をつくす」という想いはいつも根っこにあります。
そして、もう1つ意味があります。花びらを寄せたように見えるのは、「花寄せ」を表しています。誰かのために手間ひまをかけたい、そんな献身性を島本の中心に据えてロゴマークにしました。
普段はなかなか、私を示す紋章を意識することはないかと思います。
ぜひ一度、皆さんの家紋の成り立ちや込められた想いを改めてたずねてみてはいかがでしょうか。